無いものねだり
こういうことを書くと、二重まぶた信仰に心を悩ましている一重まぶたの方々からはきついお叱りを受けるかもしれないのは重々承知です。でも、それを敢えて言わせてもらえば、人間には無いものねだりが付き物ということです。我が家は、両親共にはっきりした顔立ちで、どちらの家族を見回しても血のつながりのある親族には一重まぶたが1人もいません。いわゆる濃い顔立ちの家系に生まれ育った私にとって、中学時代の忘れられない出来事があります。ある時、ひょんなことから、一重まぶたで切れ長のきれいな眼を持ち、すらりとした美人の友人が、「大人になったら絶対整形手術で二重にする」と言うので、「今のままの方がきれいだと思う」と正直な気持ちで答えました。すると突然、普段おとなしい彼女が、「きれいな二重のあなたには判らない!」と叫んだのです。幸い居合わせたもう1人の友人が、片方が一重でもう片方が二重まぶたの自分自身を引き合いに出して丸く治めてくれましたが、私には相当の衝撃でした。がっしりした体型で、時に「ハーフ?」などといわれることもある顔立ちの私には、すらりと華奢で日本的な美人の彼女は、ある種の憧れでもあったのです。彼女も私も、お互いに自分に無いものを求めていただけではないでしょうか。
あなたの嫌いは私の憧れに+1 !
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