無いものねだり

こういうことを書くと、二重まぶた信仰に心を悩ましている一重まぶたの方々からはきついお叱りを受けるかもしれないのは重々承知です。でも、それを敢えて言わせてもらえば、人間には無いものねだりが付き物ということです。我が家は、両親共にはっきりした顔立ちで、どちらの家族を見回しても血のつながりのある親族には一重まぶたが1人もいません。いわゆる濃い顔立ちの家系に生まれ育った私にとって、中学時代の忘れられない出来事があります。ある時、ひょんなことから、一重まぶたで切れ長のきれいな眼を持ち、すらりとした美人の友人が、「大人になったら絶対整形手術で二重にする」と言うので、「今のままの方がきれいだと思う」と正直な気持ちで答えました。すると突然、普段おとなしい彼女が、「きれいな二重のあなたには判らない!」と叫んだのです。幸い居合わせたもう1人の友人が、片方が一重でもう片方が二重まぶたの自分自身を引き合いに出して丸く治めてくれましたが、私には相当の衝撃でした。がっしりした体型で、時に「ハーフ?」などといわれることもある顔立ちの私には、すらりと華奢で日本的な美人の彼女は、ある種の憧れでもあったのです。彼女も私も、お互いに自分に無いものを求めていただけではないでしょうか。

あなたの嫌いは私の憧れに+1 !

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優性遺伝と劣性遺伝
まぶたが一重か二重かというのは、明らかに親からもらった遺伝子による違いです。遺伝に関する優性、劣性ということばは、非常に誤解を招き易いように思えます。一重が二重に対して劣性であるのは、皮膚、瞳、髪の色の濃い方が優性で薄い方が劣性であるのと同じで、単にどちらの遺伝子が強いか弱いかの違いです。両親の片方がブロンドでもう片方がブラウンの髪だった場合、ブロンドの方が色が薄いので劣性、瞳の色もブルーとブラウ
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アメリカ人から見た一重まぶた
先にも書いた通り、白人、黒人、ヒスパニック等、アジア人以外の人種には一重まぶたを持つ人はまずいません。だからこそ、彼らにとって一重まぶたの切れ長の目、いわゆる「アーモンド・アイ」は東洋の神秘を秘めた魅力的なものに見えるのです。実際、アメリカで人気のあるアジア系のモデルや俳優などは、日本人が理想とするような、二重まぶたで目元ぱっちりの美男美女とはちょっと違う雰囲気の人が多いようです。何せこの国では、
二重まぶた信仰を逃れたら
さて、先述の2人の友人にお話を戻しましょう。先ず、険悪な雰囲気を自らをネタに救ってくれた片側ずつ一重まぶたと二重まぶたを持った友人ですが、彼女はいつの頃からか両目とも二重になっていました。大学時代はほとんど合うことが無く、社会人になって再開した時には既に彼女の目は両方とも二重でした。その昔から、具合が悪い時などは両方二重になると言っていたので、ごく自然な変化だったようです。特別、嬉しがっているとい